燕岳(2763m) 長野県大町市・南安曇郡穂高町 平成14年6月29日〜30日

今月の月例山行は名トレ創立1周年記念・北アルプス燕岳です。天気予報では、低気圧が接近し、確実に「雨マーク」の様子・・・。もう少し安定した時期に計画をすれば良かったかと、やや不安になりながらの出発でした。ところがところが・・・。山の天気というのは本当に分からないものですね(笑)。

参加メンバー:可児桜ヶ丘氏、御嵩氏、大槍太郎

(第1日目  町営有明荘〜登山口〜第1ベンチ〜第2ベンチ〜第3ベンチ〜富士見ベンチ〜合戦小屋〜合戦の頭〜燕山荘〜燕岳〜燕山荘泊  歩行時間:4時間50分)
(第2日目  燕山荘〜登山口〜町営有明荘  歩行時間:2時間50分)

  

長野自動車道・豊科インターより、車で1時間30分で中房温泉郷に到着。
今回は町営有明荘に車を停めさせてもらうことにした(通常は登山口の駐車場へ)。

有明荘の林正美女史から、燕山荘への荷揚げが終わったばかりと聞き、ヘリポートへ行ってみる事にした。
東邦航空のヘリ(ラマ)が待機中であった。
航空機マニアの御嵩氏が撮影に熱中する。
聞くところによると、4日間の天候待機であったとの事。
午前4時30分のワンチャンスで荷揚げを終わったと伺う。
10分程で上高地の基地へと飛び去っていった。
「さて、僕らも出発しよう・・・」。

有明荘から10分程で、中房の登山口に到着。
ザックの最終確認をして、いざ燕岳へ・・・。

    

燕岳へ続く合戦尾根は、「アルプス3大急登」で有名。
登山口からすぐに急登が始まる。
今日は荷物が多く(僕の場合、差し入れの日本酒の瓶が肩にググッ・・・)、すぐに汗が滝のように流れる。

30分程で、第1ベンチに着く。
合戦尾根は、30分毎にベンチがきってあるので、休憩の目安になる。
朝食が早かったため、ここで少しおにぎりを食べることにした。
ベンチのすぐ下には、最終水場があり、楽しみにしていた可児桜ヶ丘氏が早速、汲みに行く。
雪解けの死ぬほどに美味い水を飲み、鋭気を養う。

    

急登は続く・・・。
途中、荷揚げ用のケーブルの真下をくぐる。
ケーブルは、中房の天渓洞(燕山荘ケーブル事務所)から合戦小屋までを往復する。
やっぱり、「あれに乗れないのかなぁ・・・」という悲しい声がメンバーの間から聞こえた。
僕も何度、同じ事を思ったか・・・。
30分で第2ベンチに着く。

  

第2ベンチから第3ベンチまでの間は、合戦尾根の中でも傾斜のゆるいルート。
急登にも少し慣れた頃で、ペースが上がる。
30分で第3ベンチに着くが・・・。



すぐにこんな急登が待っていた。
第3ベンチから富士見ベンチまでは、疲れも出てきた頃で、いちばん辛いルートであった。

    

30分で富士見ベンチに到着。
残念ながら、名前の由来である「富士見」は出来なかった。

ここからはちょっと傾斜もゆるくなり、30分弱で合戦小屋に着く。
時期が早く、有名な「スイカ」は食べることが出来なかったが、美味しいお茶を頂く。
桜ヶ丘氏はメチャクチャにお腹が空いていたようで、うどんを一気に食べてしまった・・・。

合戦小屋から合戦の頭に向かう。
差し入れの日本酒が、合戦小屋で一本減ったのだが、あまりザックの重さは変わらない。

    

森林限界が近づいてきた。
木々の間から一瞬、大天井岳を望むことが出来た。
この天候である。
もしかするとこれが見納めか・・・。
合戦の頭に続く急登をゆっくりと登る。

15分程で合戦の頭2489mに到着。
いつもなら、ここから槍ヶ岳が綺麗に見えるのだが、まったくのホワイトアウトであった・・・。

    

合戦の頭からは雪渓歩きが始まる。
キックステップで登っていけるとは思ったが、念のためにアイゼンを装着することにした。
腐った雪に足を取られないように、慎重に登る。
今年は例年に比べると、雪は少ないが、それでももうすぐ7月。
雪渓歩きをしながら、3000m近い標高を改めて体感する。
ガスの合間から燕山荘が見えてきた。

    

燕山荘の直下は残雪のため、夏道は開通していない。
冬道の急な階段を登る。
燕山荘のエンジン室直下から冬季小屋へ続く裏道へ出た。
テラスへ進むと燕岳のピークが望めるのだが、ガスに覆われて薄っすらとしか確認できない。
燕山荘(2690m付近)にやっと到着する。
ゆっくりと休みたいところだが、明日の天気は雨だろう。
荷物を置いて、空身で燕岳をピストンしよう・・・。


燕岳その2へ続く