仄仄山岳会ニュージーランド遠征その3(11月4日)
●マッケンジーロッジからルートバーンフォールズロッジまでの行程●
寒い夜が明けた。
昨日の吹雪が嘘のような快晴。
キーンと冷えた空気。
午前5時起床・・・。
まずはキッチンに行って、今日の行動食である「オープンサンド作り」からスタート。
レタスや卵やベーコンなどの食材を使ってお好みのサンドイッチを自分達で作るのだ。
そして朝食が始まる。
オートミール、トースト、ポーチドエッグ、カリカリベーコンなど・・・。
食後のミーティングで残念な事が告げられた。
楽しみにしていた今日の行程の中で、ホリフォードフェイスに向かう縦走路が雪崩の危険が高いということで通行止めになった。
そのため、途中の行程をヘリコプターでショートカットするというのだ。
「げ・げ・げ・・・」。
目の前が真っ暗になった。
これではルートバーントラックの完歩にはならないではないか。
しかし雪崩が相手では仕方がない。
食後にマッケンジーレイクまで散歩に出かけた。
「TRACK CLOSED」という無常の看板が掲げられていた・・・。
マッケンジーレイクに到着する。
湖の向こうにはエミリーピーク(1820m)の岩峰がそそりたつ。
静かな湖面にその姿が映し出される・・・。
もう少し先に進んでみよう。
苔むした岩が積み重なる道を通り、湖にそってアップダウンを繰り返す・・・。
大きな岩が真っ二つに割れた場所に出る。
日本でいう「天岩戸」のようなところか。
その割れ目に入ることができた。
鬼岩公園を思い出した・・・。
楽しい1時間30分ほどの散歩を終わる。
いよいよ出発準備だ。
ロッジに戻る・・・。
スコーンをおやつにしてお茶を飲んでいるとヘリが到着した。
パッキングをしてヘリに向かう。
ヘリに乗るのは山小屋のスタッフ時代以来なのでちょっとドキドキする。
春の小屋開け作業を思い出した・・・。
10分ほどの飛行の間、本当なら歩く予定であったホリフォードフェイスまでの縦走路を上空から確認することになった。
一度、ルートバーンフォールズロッジにザックなどの荷物を降ろし、標高1000m付近の岩場へ着陸する・・・。
お昼近い時間だったので、まずは腹ごしらえとしよう。
朝、自分達で作ったオープンサンドを河原に腰掛けて食べる。
ここから1515mのコニカルヒルまでのトレッキングに出かけることになる・・・。
コニカルヒルまでのルートはかなりの急勾配。
道は半分、雪解け水の小川となっていて滑りやすい。
急登を抜け、フラットな雪渓に出ると、標高1515mのコニカルヒルに到着する。
ピークからは360度の展望が開け、30分ほどの時間をこの岩場で過ごす。
明日の行程である「ルートバーンフラッツ」の川に沿った平地を望む・・・。
コニカルヒルを後に、本日の宿泊地である「ルートバーンフォールズロッジ」に向かう。
ルートバーンの滝が見えてくるとロッジは近い。
昨晩泊まった「マッケンジーロッジ」よりも大きな建物が見えてきた。
午後3時30分、ロッジ到着・・・。
ロッジは太陽光を多く室内に取り入れた明るい建物。
リビングのサンルームは特に明るい。
大きなソファーがあり、読書や昼寝が楽しめる。
クラッカーをツマミにアフタヌーンティーを頂く・・・。
今日は大きなステーキをメインディッシュとした夕食。
外が明るいので夕食という気分ではなかったが、すでに午後6時・・・。
夕食後、ロッジ恒例の「パイ投げ」が行われた。
フライパンで焼いたばかりのパイを空中に放り投げて、それを皿でキャッチするゲーム。
これは以前の建物の時代、キッチンとダイニングの距離が離れていて、パイを実際に投げて配膳をしていた名残だそうだ。
P子がミスキャッチをしてパイを床に落とした。
2回目には何とか成功し、ホイップクリームとフルーツがたっぷり乗ったパイを食べることができた。
やっと夕闇が迫ってきた午後8時・・・。
その2に戻る その4へ続く