目の前の宝剣岳(2931メートル)が迫力のある姿で迫ってくる。
まずは千畳敷カールの中を歩く。
一面のお花畑を期待していたのだが、まだ若干時期が早かったようだ。
僕とぴょん子はパーティーのしんがりを歩く。
僕と同じく久しぶりの山行参加の御嵩氏とおしゃべりをしながらの楽しい登り。
しかし、しばらくして御嵩氏がちょうど腰掛けるのに良い岩で動かなくなった。
鬼のように重いザックには、今回も山のような食材が一杯に詰まっている・・・。



    

    

伊那前岳との鞍部、「乗越浄土」までは岩のゴロゴロする急斜面。
一歩一歩忍耐強く登る。
ガスが巻いてきて、千畳敷ホテルも見えにくくなってきた。
携帯無線機から、乗越浄土へ到着したとの可児氏の一報が入った。
午前8時40分、僕らも乗越浄土へ到着・・・。

    

    

しばらく小休止の後、駒ケ岳本峰手前の中岳に向けて出発する。
すぐ目の前に見える宝剣岳は、千畳敷から見る姿とはまた違う迫力。
鞍部に建つ「宝剣山荘」横を通り、広い登山道へ抜ける。
奇岩「天狗岩」の向こうには、綺麗な円錐の形をした「三ノ沢岳」を望むことができた。
中岳への登りが続く・・・。

    

午前9時、2925メートルの中岳に着く。
せっかく登った中岳だが、ここから頂上山荘の見える鞍部へ下り、駒ヶ岳への最後の登りが待っている・・・。

  

花崗岩がゴロゴロする急斜面を淡々と登る。
御嵩氏談、「う〜む、苦しいぃぃぃ・・・」。
午前9時45分、やっとのことで中央アルプスの最高峰「木曽駒ケ岳2956m」に到着・・・。

    

    

    

山頂から少し下ったところに、休憩にちょうど良い場所を見つける。
まずは重たい思いをして担ぎ上げたビールで乾杯をしよう。
く〜っ!堪らんぞぉぉぉ〜!!!」。
その後は各自がおしゃべりをしながらお食事タイム。
僕らは御嵩氏から「とんちゃん」及び、「けいちゃん」の振る舞いを受ける。
ねぎを山のように入れたダイナミックな料理に感動する。
山のごはんは本当に美味しい・・・。



おなかも膨れた頃、御嵩氏が暴走。
ドイツから来たセクシーダイナマイツをとんちゃんでナンパ
しかし、「とんちゃん」をドイツ語で訳すことができず、御嵩氏はゼスチャーも織り交ぜながらの奮闘。
しかし、見事にフラれ、そして玉砕・・・。

  

パラパラっとが降り出した。
強い雨ではなかったが、撤収のきっかけとなる。
午前10時50分、ザックに荷物をしまい、カッパを着て出発・・・。

    

    

中岳手前の鞍部まで戻る。
ここで往路の中岳の登り返しのルートと、木曽谷側の巻き道のルートと、2班に別れることとした。
往路をたどる今池氏ご夫妻可児氏を見送り、こちらも出発。
先行を久保爺氏ご夫妻、その後をぴょん子、そして御嵩氏という順番。
こちらのルートは、中岳の斜面をほぼ平行にトラバースし、最後の花崗岩の岩場を登り、中岳の通常のルートと合流をする。
ホールドもしっかりとしており、展望や迫力のある木曽谷も見ることができる。
手に持ったストックを短くたたみ、両手で岩をしっかり掴もう・・・。

  

巻き道ルートを終え、別班の到着を待つ。
雨も止み、青空が見えてきた。
乗越浄土へ戻る途中、宝剣山荘で「登山バッチ」を購入する。
可児氏、御嵩氏もお気に入りのバッチを探す。
登山記念に、山小屋のあるところでは毎回購入することにしている・・・。

    

乗越浄土からは一気に下る。
途中で極楽平班稲沢氏から無線連絡。
下りのロープウエイの待ち時間が2時間との一報。
先行して、整理券の確保をお願いした。
この連絡が後の我々の行動を大きく左右したことは、この段階では知る由もない
途中、御嵩氏恒例の「転倒シーン」などの小さなアクシデントはあったが、お花畑を通過し、午後12時50分、千畳敷ホテルに到着することができた。
何となく雲行きが怪しい・・・


木曽駒ケ岳その3へ続く