千畳敷ホテルに到着、宝剣岳をバックに全員で記念写真に納まる。
下りのロープウエイにはまだ1時間ほどあるので、ちょっと離れた場所でぴょん子と少し寝ることにした。
気持ちよく寝ていると、パラパラパラと顔に雨粒が落ちてきて目が覚める。
最初は小粒だった雨がだんだんと本降りになってきた。
急いでロープウエイ駅に逃げ込む。
を伴った本格的な雨だ。
もう少し頂上で長居をしていたら、この雨にやられていたかもしれない。
駅の入り口は、ロープウエイを待つ下山客と、今登ってきたばかりの登山客でごった返す。
座り込む場所もなく、不安そうに外を見つめるだけ。
午後2時過ぎの予定の乗車が早まり、午後1時50分にロープウエイに乗ることができた。
窓の外は相変わらず強い雨が降っている。
途中からヒョウ交じりの雨に変わり、改めて高山に来ているんだと実感する・・・。

    

午後2時10分、しらび平到着。
まだ強い雨が降っている。
バス停に向かうと、テントの屋根にヒョウが当たり、「バタバタ」と音がする。
菅ノ台行きのバスを待つ。



バシィ!!」。
物凄い音がバス停の後ろから聞こえた。
その後、すぐに閃光も続く。
雷が落ちたんだ!!!」。



菅ノ台行きのバスが到着。
僕らは乗り込む。
何故か、8分間隔で到着するはずの後続のお客さんがやってこない・・・

    

バスに乗り込む頃には、あれほど強かった雨も止み、薄日が差してきた。
後続のお客さんのこないバスは、ほぼ貸しきり状態
ゆったりと座る。
バスの無線機から思いもかけない情報が飛び込んできた。
バスを待っていたときに落ちた雷でロープウエイが止まっている
しかも、僕らが乗ったすぐ後の便から。
げげげ!!!」。
物凄くラッキーである。
山頂に残されたであろうたくさんのお客さんには大変気の毒ではあるが、無事に下山できた喜びを車内中で分かち合う
実は、想像を絶する状況が、この後も木曽駒ロープウエイに続いたことは、メディアなどでご存知であろう・・・)。
山頂駅で睡魔を中断したこともあり、車窓の景色もそこそこに僕は眠ることにした。
あ!サル!!!」。
脱兎のごとく逃げるサルの群れと遭遇・・・。

    

午後3時、菅ノ台に到着。
バスを降りるとき、運転手さんが、ロープウエイの復旧の見込みがまったくたっていないという話をしてくれた。
菅ノ台の駐車場には、ツアーのお客さんを乗せる観光バスがたくさん駐車している。
しかし、その肝心のお客さんがまったく下りてこないということで、ガイドさんが右往左往している。
大変に気の毒だ・・・」。
車に戻り、登山靴をサンダルに履き替える。
この「ス〜ッ」とする瞬間が気持ちよい。
足の開放感は堪らないものがある。
木曽駒ケ岳を改めて振り返る。
雨も止み、穏やかな表情をしている山を見ていると、あれほど大荒れに荒れた時間が嘘のようだ。
御嵩氏が我慢していた「ナニ」を済ませ、すっきりした顔でトイレから出てきた・・・。

    

    

駐車場から少し、しらび平の方へ戻ったところに「こまくさの湯」という日帰りの温泉施設がある。
山の汗をさっぱりと温泉で流そう。
大きなお風呂は入泉料500円、さらっとした癖のないお湯は日焼けした肌に優しい。
ちょっと熱めのお湯もいい。
お風呂自体も大きいので、ゆったりと入ることができた。
湯上りにはキューッとサワサワした飲み物で喉を潤したいものだ。
南信州ビール」という地ビールを注文。
併設のレストランで、御嵩氏と乾杯
氏は信州濃厚牛乳を飲む。
少し仕事の話などをして過ごす。
いちばん長風呂のぴょん子がやっと出てきて、温泉を後にする・・・。

    

  

復路も駒ヶ根インターより高速の人となり、僕らは可児氏運転の車で爆睡させて頂いた。
途中、行きと同じく恵那峡サービスエリアで休憩を取る。
着く前から車内で「おなかが空いたよね!!」と言っていたので、迷わずレストランへ。
ソバ定食」などを掻き込む。
これが我が家の今夜の夕食。
食事中も今日の出来事で話が弾む。
ここで今日のパーティーとはお別れ。
午後4時40分、恵那峡サービスエリアから家路に向かう。
充実し、そして波乱に富んだ「木曽駒山行」は大団円となる・・・


■あとがき■
ニュース報道で、この日の木曽駒ロープウエイの事件が全国レベルのものだったことを知ることとなりました。
翌日の午前4時まで下山できなかったお客さんもあったと聞き、僕らの運の良さに驚いています。
しかし、僕らのパーティーには直接の被害もなく、山の頂上での大宴会も含め、楽しい山歩きができたことに大満足です。
今回の企画にお誘い頂いた各氏に、この場でお礼を申し上げたい。
「ありがとうございましたぁ〜」。