白馬岳 長野県北安曇郡白馬村 平成14年8月29日〜31日

今年の夏の最後は白馬岳で飾ります。日本三大雪渓と言われる「白馬大雪渓」から、白馬岳・杓子岳・鑓ガ岳の「白馬三山」を縦走し、憧れの「鑓温泉」で雲上の露天風呂を堪能します。2泊3日の北アルプス納涼山行の記録です・・・。

参加メンバー:かえる@ぴょん、大槍太郎

(第1日目 猿倉〜白馬尻〜葱平〜避難小屋〜村営頂上宿舎〜白馬山荘  歩行時間:6時間30分)

    

前日の夜、中央自動車道から長野自動車道をぶっ飛ばし、安曇野に入る。
トイレや水場も完備した「安曇野の里」の駐車場で一夜を明かす。
いつもの「Pキャン」である・・・。
快適な夜を過ごし、快晴の朝を迎える。
安曇野はワサビ田で有名な名水の地である。
今日の飲料水を確保しよう。
ドリップでコーヒーをたてる間にアマガエルが現れた。
「おいおい、雨かよぉ〜!?」。
蛙マニアのぴょん子隊員が狂喜乱舞・・・。

    

前日に長野入りをしておきながら、結局、「安曇野の里」でグズグズ・・・。
猿倉の駐車場に着いたのは午前8時も近かった。
こんな時間に出発する人影はまばら・・・。
最初は雲に覆われていた空も、徐々に青空が覗きはじめてきた。
雲の間から白馬の山並みが見渡せる。
デカイ山稜に登山意欲がぐんぐんと湧いてくる。
白馬尻に急ごう・・・。

    

白馬尻に到着。
ここは村営白馬尻荘と白馬尻小屋の二軒が軒を連ねる。
トイレはこの先、頂上小屋までないので、ここでスッキリする。
大雪渓を登攀する際、アイゼンをここで購入することもできる。
雪渓の状態を尋ねたところ、「何とかノーアイゼンでも行けると思いますよ」との事。
アイゼンを持っていなかったぴょん子隊員は、「私、アイゼンなしで登ってみる!」と決断した・・・。
小屋を過ぎ、目の前に大雪渓がもの凄い迫力で迫ってきた・・・。

    

大雪渓に取り付くと落石の危険もあり休憩ができない。
先に糖分を補給しておきたい。
「小枝」をムシャムシャしながら作戦会議をする。
「ゆっくり慎重に登ろう」(何じゃそれ!?)。
いよいよ大雪渓に突入だ。
キックステップで一歩一歩・・・。

    

最初はノーアイゼンのぴょん子隊員に付き合って、僕もアイゼンを履かずに歩いていた。
しかし荷物の重い僕はどうも足元が覚束ない。
雪渓をトラバースし、落石の起こらない場所を選んで、すばやくアイゼン(6本爪)を履いた。
スピードは落ちるのはやむを得ないが、これで確実に傾斜を登ることができるだろう。
ガスが晴れたと思ったら、すぐにホワイトアウト。
後続の登山者も見えなくなった・・・。



これだけの急斜面を2時間近く登っている。
でも汗をかいていない。
真夏に踏みしめる雪の感触や雪渓を渡る涼しい風は感動的・・・。

    

雪渓の最上部をトラバースし、急斜面のザレ場を登ると葱平に着く。
大雪渓の登りが終わったのだ。
今登ってきたルートを振り返る。
「う〜む・・・」。
ノーアイゼンで登りきったぴょん子隊員に感想を聞いてみた。
「途中は少し怖かったけど、雪渓歩きはメチャメチャ楽しい〜!!」。

    

お昼を過ぎていた事もあり、フラットな場所を見つけて昼食とした。
カップラーメンとロールパンで空腹を満たす。
ふと目をやると、杓子岳の天狗菱だろうか、鋭い岩峰が空に延びていた。
枕木の敷設された階段を急登していく・・・。

    

    

岩の間に残る雪渓を眺めながら高度を稼ぐ。
ペンキマークを拾いながら一歩一歩という感じだ。
避難小屋が見えてきた。
緊急時専用ということらしいのだが、収容人員は15名ほどだろうか・・・。
登山道の脇にお花畑が広がってきた。
花のピークは過ぎたとはいえ、まだまだ色とりどりの花が咲き、急登を一瞬忘れさせてくれる。
ガスの中に薄ぼんやりと小屋影が見えてきた。
村営頂上宿舎に到着。
今日は白馬山荘泊の予定なので、そのまま通過・・・。

    

稜線に出る。
明日向かう予定の杓子岳・鑓ガ岳方面と、朝日岳方面への分岐点に立つ。
白馬山荘は目の前だ。
残念ながら白馬岳の山頂はガスに隠れて見えない。
午後3時、日本最大の収容人員を誇る「白馬山荘」に到着した・・・。

白馬岳その2へ