仄仄山岳会報告・栂池自然園(平成16年10月19日)

錦秋の山の雰囲気を楽しもうと、白馬岳山麓に広がる「栂池自然園」を訪れました。当日は曇り空で、残念ながら青空の下での紅葉を楽しむことはできませんでしたが、標高2000メートル付近の高層湿原の散策と、ピークを白く染めた白馬三山を十分に堪能してきました・・・。

参加メンバー:かえる@ぴょん、大槍太郎

    

久しぶりの連休2日目、今日は栂池自然園へやってきた。
駐車場から望む「白馬岳」「杓子岳」「鑓ガ岳」の白馬三山はすでに2日前に降った雪で白く輝いていた。
今日は軽めのトレッキング。
防寒対策だけ行い、栂池高原駅からゴンドラリフト「イブ」に乗ることになる・・・。

    

    

    

このゴンドラは以前、スキーに熱中していた頃にはよく乗ったことがある。
眼下に広がる紅葉は、今がピークのようだ。
遠くに見える白馬三山が紅葉の美しさに拍車をかける。
ゴンドラからロープウエイに乗り換え・・・。

    

    

    

ロープウエイで一気に標高1900メートル付近まで登る。
ここから新しい「栂池ヒュッテ」の前を通り、「ビジターセンター」へ向かう。
ビジターセンターで受付を済ませてから自然園に入ることとなる。
植生を荒らさないために、マットで靴の裏を十分に拭う。
湿原に存在しない種子などを持ち込まないためだ。
センターを出ると高層湿原が目の前に広がる。
白馬岳もすぐ近くに見ることができる。
ここから約3時間のトレッキングのスタートだ。
まずは木道をたどり、ワタスゲ湿原方面へ進出する。
途中、夏でも冷風が吹き出している「風穴」脇を通る。
楠川の橋を渡る時、ちょっと河原に下りてみた。
川の水を触ってみると、指がちぎれるほどの冷たさだった・・・。

    

    

楠川を過ぎると緩やかな登りとなる。
足元が若干ぬかるみ、歩きにくい。
かなり厚着をしてきたぴょん子がフリースを脱ぐ。
標高1910メートルの「浮島湿原」に到着。
周囲600メートルの浮島池を周回する木道を歩く。
中間地点のベンチで小休止・・・。

    

    

ここから「モウセン池」を経由し、標高2010メートルの「展望湿原」に着く。
ここが自然園のクライマックス。
白馬三山が湿原の先に広がり、有名な大雪渓も望むことができる。
2日前に降った雪が山のコントラストを増幅させる。
青空を望むべくもないが、紅葉の盛りを過ぎた湿原が、冬の訪れが近い山の雰囲気を感じさせてくれた。
2年前にぴょん子と歩いた白馬三山の稜線を目で追う。
大雪渓を登り、白馬岳から杓子岳を経由し、鑓ガ岳から白馬鑓温泉へ向かった思い出が蘇る。
また、あの熱い温泉に入りたくなった・・・。

    

    

    

いつまでも見飽きない風景。
キリがないので展望湿原に別れを告げる。
今まで歩いてきた道を戻る。
高いところから湿原全体を眺めながら下るので気持ちがよい。
ゆっくりと歩きながら山の空気を吸収する。
残念ながら湿原付近の紅葉は終わっていたが、秋と冬の中間点の静かな山の雰囲気が心を落ち着かせた。
最後にもう一度、白馬岳を振り返る。
木道の先に「旧栂池ヒュッテ」の建物が見えてきた・・・。

    

    

    

ロープウエイ駅のストーブで身体を温める。
自然園から「ひよどり峰」を経由し、白馬岳へ向かう登山道の途中まで歩いたが、天候が怪しくUターンする。
早めのスタートならば、妙高や火打などの眺望や、白馬大池蓮華温泉への縦走も楽しむことができる。
ロープウエイの人となり下山。
錦秋の山を後にする・・・。